共同経営者 インタビュー 神林 拓馬×米井 聡共同経営者 インタビュー 神林 拓馬×米井 聡

10代後半、二人は同じサッカーチームに所属する地元の先輩、後輩として出会った。代表として肩を並べる以前、それぞれ別の仕事をしていたときも、同じ志を持つ二人は一緒に過ごすことが多く、信頼を積み重ねてきたという。
リーダーたちの思いは創業時から変わることはない。これまでずっと大切にしてきたのが「人」であり、「人とのつながり」によって今があることを片時も忘れてはいない。

人とのつながりが年々広がっていることを実感

尊敬している方や影響を受けた方はいますか?

神林孔子とその本を書いた渋沢栄一さんです。私の精神の根源は孔子の説いた「中庸の徳たるや、それ至れるかな」で、もともとは、私の父が考え方の基本としていた格言でした。子どものころから耳にしていましたが、大人になってその意味を理解し興味を持ちました。

米井私は松浦弥太郎さんの書籍をよく読んでいます。自分の心の在り方、考え方、モチベーションの上げ方など学ぶことが多く、すぐ行動に移しています。経営者としてもプライベートでも自分をコントロールすることに役立っています。

今のお仕事で一番うれしかったことを教えてください。

神林社員が増えたことですね。会社を立ち上げたときはほんの数人で、事務所もなく駐車場で朝礼をしていましたから(笑)。今はこうして事務所を構えて、店舗も増えて、会社の総会には約300人のスタッフが集まります。当社の根幹は「人」ですから、ここまで人数が増えたことが大きな喜びです。

米井私も同じ思いです。社員もお取引先も増えて新しい出会いもあり、とにかく人とのつながりが年々、広がっていることを実感しています。うれしい限りです。

目標にコミットしているとつらさを感じない

今のお仕事でつらかったことはありますか?

神林一緒に頑張ってきたスタッフが辞めてしまうときはとても寂しいですね。「その人のためにもっと何かできたんじゃないか」と反省することも…。スタッフが多いとプライベートの悩みを相談したり、助け合ったり、仕事以外のメリットもたくさんあります。だからこそ、大きなファミリーの一員として長く勤めてほしいと思っています。それ以外はつらいことは特にありません。ちなみに辞めたいとか、スタッフの相談に乗るのは米井が得意なんですよ。

米井そうですね。スタッフから相談されることは多いですが、私ははっきり言うタイプなので、その後は神林がフォローしてくれます。役割を決めているわけではないけれど、自然とバランスがとれているんです。それから、私も仕事でつらかったことはないですね。常に目標に突き進んでいるため、つらいと感じている暇がないのでしょう。

神林たしかに。世間的に見て大変だったことは多々あったと思いますが、目標にコミットし、苦しさにフォーカスしていないので覚えていないのかもしれません(笑)。

1億円以上投資した飲食店が失敗

事業の失敗談はありますか?

神林一億円以上かけて投資した飲食店の経営がうまくいかなかったことですね。もっと悔しかったのが、そこをサブリースに出したら、借りてくれた会社が利益を出していることです(笑)。

米井ああ、あのときは本当に悔しかった…。会社として大勝負でしたからね。投資したからにはしっかり利益をあげられるようにと、この失敗を忘れることなく他の事業にも生かしています。

新しい事業の立ち上げはどのようなことがきっかけになっていますか?

神林既存のビジネスから派生した事業展開も多く、これから先もまだまだ展開の余地があると思っています。時代のニーズに対応した新規事業にスピーディーに取り掛かるのも当社の特徴です。

米井そうですね。二人ともいろいろなことに興味があるので、私たちのアンテナはかなり高く張っています。頼りになるのはやはり人づての情報です。とにかくアクティブに、すぐに実践です。

神林うまく軌道に乗ればよいですが、続けるか、やめるか、悩むときは現場の声を聞いています。事業の主体は現場で私たちはサポートですから。

スタッフからの要望には総会で回答

社員さんからの会社に対する意見・要望にはどのように対応していますか?

神林事前に全社員から匿名でアンケートをとり、一年に一度、全社員参加で総会を開き、それに回答しています。毎年開催の運動会も「一日の売り上げを捨ててやる必要があるのか」というような意見が毎年増え続けたことで、運動会を取りやめ有志で参加する部活動に切り替えました。

米井ほかにも福利厚生や残業など、いろいろな要望が書かれていますよ。働く環境をよくしたいという気持ちは常にありますから、大事なところは改善していきます。耳の痛い意見もありますが真摯に受け止めています。

どのような方と一緒に働きたいですか?

米井志や目標がある人がいいですね。やりたいことや思いがある人、なりたい自分像がある人。やる気があれば学歴関係ありません。

神林物事を楽しめる素養を持っている人。そうでない方も入社したら、仕事だけに没頭せず、恋愛、結婚、趣味など人生を楽しめるようになってほしいです。

人とのつながりが年々広がっていることを実感

今後のビジョンをお聞かせください。

米井創業当時から変わらず、アルバイト、社員、役職者、関係なく、ビジネスプランコンテストでスタッフが生み出した事業、スタッフのやりたいことをバックアップして、実現させる会社でありつづけること。大手では難しいでしょうが、私たちは規模が小さい会社ですから、決済が早くスピーディーに実現できるという強みがあります。また、チームで一丸となって目標に向かえるように、これからも仲間意識を大切にしていきたいと思います。

神林当社はこれまでもこれからも「人」が大きなテーマです。人のつながりこそがすべてであり、それを大切にしながら、ストレス社会におけるスタッフのメンタルヘルスケアにも、より力を入れたいと考えています。それから、世界が広がり、かつ世界が近くなっていますから、事業の商圏を広げていきたいですね。